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障がい者雇用で活用できる助成金を紹介

チャレンジド・ジョブ

障がい者雇用においては企業が積極的に採用活動を進めていけるよう様々な助成金が用意されています。

大きく助成金を分けると、以下の4つに分けられます。

では、それぞれの助成金について詳しく見ていきましょう。

障がい者の採用時に受けられる助成金

障がい者を雇い入れる時に受けられる助成金は、主に3つに分けられます。

各助成金は障がい者を雇い入れる時に受けられる助成金ですが、それぞれでどのような特徴があるのでしょうか?詳しく解説していきます。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は、障がい者だけでなく、高年齢者等、就職が困難な人を継続して雇用する場合に受けられる助成金です。

特定求職者雇用開発助成金は、以下の3つのコースに分けられます。

特定就職困難者コース

特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コースは、高年齢者や障がい者等の就職困難者を雇用保険被保険者として継続して雇い入れる場合に支給される助成金です。
対象労働者と企業規模に応じて支給額が異なります。

対象労働者 支給額 助成対象期間 支給対象期ごとの支給額
短時間労働者
以外の者
[1]高年齢者(60歳以上65歳未満)、
母子家庭の母等
60万円
(50万円)
1年
(1年)
30万円×2期
(25万円×2期)
[2]重度障害者等を除く
身体・知的障害者
120万円
(50万円)
2年
(1年)
30万円×4期
(25万円×2期)
[3]重度障害者等(※3) 240万円
(100万円)
3年
(1年6か月)
40万円×6期
(33万円※×3期)
※第3期の支給額は34万円
短時間労働者
(※4)
[4]高年齢者(60歳以上65歳未満)、
母子家庭の母等
40万円
(30万円)
1年
(1年)
20万円×2期
(15万円×2期)
[5]重度障害者等を含む
身体・知的・精神障害者
80万円
(30万円)
2年
(1年)
20万円×4期
(15万円×2期)
注;( )内は中小企業事業主以外に対する支給額および助成対象期間です。
※3「重度障害者等」とは、重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者及び精神障害者をいいます。
※4「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が、20時間以上30時間未満である者をいいます。
引用元:厚生労働省
発達障がい者・難治性疾患患者雇用開発コース

特定求職者雇用開発助成金の発達障がい者・難治性疾患患者雇用開発コースは、発達障がい者や難治性疾患患者を雇用保険被保険者として継続して雇い入れる場合に支給される助成金です。
こちらも、対象労働者と企業規模に応じて支給額が異なります。

対象労働者 企業規模 支給額 助成対象期間 支給対象期ごとの支給額
短時間労働者
以外の者
中小企業 120万円 2年間
(1年)
第1期 30万円
第2期 30万円
第3期 30万円
第4期 30万円
中小企業以外 50万円 1年間
(1年)
第1期 25万円
第2期 25万円
短時間労働者
(※)
中小企業 80万円 2年間
(1年)
第1期 20万円
第2期 20万円
第3期 20万円
第4期 20万円
中小企業以外 30万円 1年間
(1年)
第1期 15万円
第2期 15万円
※ 短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が、20時間以上30時間未満である者をいいます。
注;中小企業の範囲については「雇用関係助成金共通の要件」のCを参照
引用元:厚生労働省
障がい者初回雇用コース

特定求職者雇用開発助成金の障がい者初回雇用コースは、これまで障がい者雇用を行ったことのない中小企業が、障がい者を初めて雇用する場合に支給される助成金です。受給額は、120万円です。

主な受給要件は、以下のようになります。

  • 雇用する労働者数が45.5人~300人
  • 初めて障がい者(身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者)を雇い入れた日の翌日から3ヶ月後の間に、法定雇用率を達成すること
  • 過去3年間に障がい者雇用の実績がない

注意点としては、障がい者雇用を1人行うだけでなく、障がい者雇用促進法第43条第1項に規定する法定雇用障がい者数以上となって、法定雇用率を達成することが需要要件となっていることです。

トライアル雇用助成金(障がい者トライアルコース・障がい者短時間トライアルコース)

トライアル雇用助成金は、就職が困難な求職者の早期就職や雇用機会の創出を目的としています。
対象となるのは、重度障がい者、重度知的障がい者、精神障がい者で、かつ障がい者トライアル雇用制度を理解した上で、雇入れを希望している方になります。
原則として障がい者トライアル雇用の期間は3ヶ月です。

トライアル雇用助成金には、週の労働時間が20時間以上の障がい者トライアルコースと週の労働時間が10時間以上20時間未満の障がい者短時間トライアルコースの2つがあります。

それぞれの受給額は、以下のようになります。

障がい者トライアルコース

対象労働者が精神障がい者の場合は、月額最大8万円を3ヶ月、月額最大4万円を3ヶ月(最長6ヶ月間)。それ以外の場合、月額最大4万円(最長3ヶ月間)

障がい者短時間トライアルコース

支給対象者1人につき月額最大4万円(最長12ヶ月間)

(母子家庭の母等又は父子家庭の父以外の場合)
割合 月額
   A≧75% 4万円
75%>A≧50% 3万円
50%>A≧25% 2万円
25%>A>0% 1万円
   A=0% 0円
引用元:厚生労働省
(母子家庭の母等又は父子家庭の父の場合)
割合 月額
   A≧75% 5万円
75%>A≧50% 3.75万円
50%>A≧25% 2.5万円
25%>A>0% 1.25万円
   A=0% 0円

障がい者雇用安定助成金

障がい者雇用安定助成金は、障がい者の職場定着のために、障害特性に応じた雇用管理や雇用形態の見直し、職場定着に困難を抱える障がい者への支援に対して給付する助成金です。

以下の3つのコースを詳しく紹介していきます。

障がい者職場定着支援コース

障がい者職場定着支援コースの目的は、障がい者の雇用の促進、職場定着を図ることです。

以下の7つの措置を講じる場合に受給可能です。

  • 柔軟な時間管理・休暇取得
  • 短時間労働者の勤務時間延長
  • 正規・無期転換
  • 職場支援員の配置
  • 職場復帰支援
  • 中高年障がい者の雇用継続支援
  • 社内理解の促進

支給額は、それぞれの措置によって異なります。

ここでは、具体的に短時間労働者の勤務時間延長について紹介します。
短時間労働者の勤務時間延長の場合は、週の所定の労働時間が20時間未満の労働者を20時間以上、30時間未満の労働者を30時間以上に延長する場合に受給できます。支給額も要件によって異なります。受給要件を確認し、利用できる制度があれば、関連機関に相談してみるといいでしょう。

対象となる職場定着に
係る措置
措置の概要 対象労働者

措置1

柔軟な時間管理・
休暇取得
通院による治療等のための有給休暇の付与、勤務時間の変更等の労働時間の調整を行うこと 措置の開始日の時点で、
次のいずれか(※)に該当する方
◆身体障害者
◆知的障害者
◆精神障害者
◆発達障害者
◆難治性疾患のある方
◆高次脳機能障害のある方

措置2

短時間労働者の
勤務時間延長
週所定労働時間が20時間未満の労働者を20時間以上に、30時間未満の労働者を30時間以上に延長すること

措置3

正規・無期転換
有期契約労働者を正規雇用や無期雇用に、無期雇用労働者を正規雇用に転換すること

措置4

職場支援員の配置
障害者の業務遂行に必要な援助や指導を行う職場支援員を配置すること

措置5

職場復帰支援
中途障害等により休職を余儀なくされた労働者に対して、職場復帰のために必要な職場適応の措置を行い、雇用を継続すること 職場復帰の日の時点で、
次のいずれかに該当する方
◆身体障害者
◆精神障害者
◆難治性疾患のある方
◆高次脳機能障害のある方

措置6

中高年障害者の
雇用継続支援
中高年障害者に対して、雇用継続のために必要な職場適応の措置を行い、雇用継続すること 措置の開始日の時点で、※に該当し、満45歳以上かつ勤続10年以上の方

措置7

社内理解の促進
雇用する労働者に対して、障害者の就労の支援に関する知識を習得させる講習を受講させること 事業所に雇用される労働者
引用元:厚生労働省

障がい者職場適応援助コース

障がい者職場適応援助コースは、職場適応・定着に課題を抱える障がい者に対し、支援を実施する事業者に対して助成します。

対象となる労働者は、次のいずれかに該当する者です。

  • 身体障がい者
  • 知的障がい者
  • 精神障がい者
  • 発達障がい者
  • 難治性疾患のある方
  • 高次脳機能障害のある方
  • 上記以外の障害者であって、地域センターが作成する職業リハビリテーション計画において、職場適応援助者による支援が必要であると認められる者
対象労働者 支給額(1人あたり月額)
障害の種別 雇用形態
精神障害者 短時間労働者
以外の者
中小企業
(※4)
12万円 中小企業以外 9万円
短時間労働者
(※5)
中小企業 6万円 中小企業以外 5万円
精神障害者以外 短時間労働者
以外の者
中小企業 8万円 中小企業以外 6万円
短時間労働者 中小企業 4万円 中小企業以外 3万円
※3 実施する支援の回数や対象労働者の出勤割合等の条件があります。
※4「中小企業」の範囲については、「各雇用関係助成金に共通の要件等」のCを参照してください。
※5 「短時間労働者」とは、1週間の所定労働時間が、同一の雇用保険適用事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間と比べて短く、かつ、30時間未満である者をいいます。
引用元:厚生労働省

支給額は、障がいの種類や支援を行った日数などによって異なります。

中小企業障がい者多数雇用施設設置等コース

中小企業障がい者多数雇用施設設置等コースは、労働者数300人以下の事業主が対象です。
障がい者の雇入れに係る計画を作成し、障がい者を10人以上雇用することが条件となります。
その上で、障がい者の雇い入れに必要な事業所の施設・設備等の設置等の費用に対して助成金が受けられます。

中小企業障がい者多数雇用施設設置等コースは、新たに雇い入れた支給対象となる障がい者の数と、施設・設備の設置・整備に要した費用の額に応じて支給額が異なります。

設置・整備に要した費用 対象労働者数
10~14人 15人以上
第1期 第2,3期 第1期 第2,3期
3,000万円以上
4,500万円未満
1,000万円
(1,440万円)
500万円
(180万円)
1,000万円
(1,440万円)
500万円
(180万円)
4,500円以上 1,000万円
(1,440万円)
500万円
(180万円)
1,500万円
(2,160万円)
750万円
(270万円)
引用元:厚生労働省

施設の整備等を行った場合に受けられる「障がい者雇用納付金制度に基づく助成金」

障がい者雇用納付金制度に基づく助成金は、事業主等が障がい者の雇用するにあたって、施設・設備の整備等を行わなければ、障がい者の新規雇入れや雇用の継続が困難であると認められる場合に支給される助成金です。

助成金の種類としては、以下の7つになります。

  • 障がい者作業施設設置等助成金
  • 障がい者福祉施設設置等助成金
  • 障がい者介助等助成金
  • 職場適応援助者助成金
  • 重度障がい者等通勤対策助成金
  • 重度障がい者多数雇用事業所施設設置等助成金
  • 障がい者能力開発助成金

助成金の種類は多岐にわたり、対象となる障がいの内容や申請手続きも異なるため、障がい者雇用の計画段階から専門機関に相談しておくとスムーズに申請ができます。

職業能力開発をした場合に受けられる「人材開発支援助成金(障がい者職業能力開発コース)」

障がい者職業能力開発コースは、障がい者の職業に必要な能力を開発、向上させるため、一定の教育訓練を継続的に実施する施設の設置・運営を行う場合の費用を一部助成します。

訓練の対象となる障がい者は、以下のいずれかに該当する人になります。

  • 身体障がい者
  • 知的障がい者
  • 精神障がい者
  • 発達障がい者
  • 高次脳機能障害のある者
  • 難治性疾患を有する者

また、ハローワークに求職の申込みを行い、職業訓練を受けることが必要であり、職業訓練受講通知書により通知が必要となります。
支給の要件や支給額はそれぞれ異なるため、自社の要件に合うか確認が必要です。

さいごに

本記事では、障がい者雇用で受けられる助成金について紹介しました。
助成金は障がい者の雇用促進や雇用の継続を目的とする際に支給が受けられます。
助成金を活用して、障がい者雇用・採用を進めていきたいとお考えの方は気軽にご相談ください。